アート系トーク番組 art air の日記

アート・美術・幼児造形などについて

「塩田千春 精神の呼吸」展 IN 国立国際美術館




大阪中ノ島の国立国際美術館で開催されています

「塩田千春 精神の呼吸」展に行ってきました。

ちょうど作家のトークショーが行なわれる時を

ねらって見に行きました。

まず、最初に出迎えてくれるのが、赤い糸と靴をつかった

空間構成作品(インスタレーション)です。





塩田さんの作品は巨大なのが特徴で、

作者いわく「大きければ大きいほど良い」そうです。

できればボランティアの人たちと一緒に

大阪市を毛糸で埋め尽くす作品を作ってみたい

と本気で言っていたのには、女性の「おおい尽くしたい」という

欲求は、すさまじいものがあるんだなと感心しました。




また、靴にはひとつひとつ履いていた人のコメントが

お手紙に書いてつけてあります。



「社会人一年目に営業の外回りで履いた靴」64歳、男性

「夏休みにたくさん遊んだ小さな小さなサンダル」5歳、女の子

「海外旅行で買ったけど、あまりはかなかったオシャレな靴」47歳、女性

「故人がはいていた靴」

などなどです。




靴には、目に見えない力が宿るようですね。

そういえばゴッホもくたびれた革靴を描いていましたね。






次の作品はベットが置いている部屋を

毛糸で埋め尽くした作品です。

クモの巣のような怖い印象を与える一方で

まゆにおおわれたような安心感を抱かせてくる

ステキな作品でした。

そして何より美しかったです。






こちらの作品は、第一回横浜トリエンナーレ

出品された巨大なドレスの作品です。

前から一度見てみたいと思っていたので

実物をみれて感動です。

思っていたとおりいい作品でした。

作品の前に立っていると畏怖の念が沸き起こってきます。



子どもの時に近くの妙見山で見た恐ろしく、

でも力強かった巨大な石彫りの不動明王を思い出しました。



最後に美術館の学芸員のコメント載せて

今日の日記はおしまいにしたいと思います。

実は、今日の日記はデータが消えてしまい

2回目書きました。とほほ・・・



「塩田千春(1972年大阪生まれ)は、

ベルリンを拠点に国際的に活躍する美術作家です。

糸を展示室に張り巡らせるインスタレーションや、

旧東ベルリンの解体されるビルや廃屋から集めた

多数の「窓」を組み合わせたインスタレーションを展開し、

これまで数多くの国際展に参加してきました。




塩田の作品には、絡まった毛糸、くだけたガラス窓、

履き古された靴、焼けたピアノなどが主として用いられています。

それらは、不穏なおぞましさを喚起する一方で、

時間の経過とともに堆積された過去の記憶を

提示しているようにも感じられます。



普段、何気なく目にする日常の事物に、

死の恐怖と生の迫力とを同時に付与した塩田の作品は、

その両義性ゆえに見る者を魅了してやみません」