アート系トーク番組 art air の日記

アート・美術・幼児造形などについて

六本木ヒルズ

師走の忙しい時間をなんとかやりくりして、
どうしても見たい美術展があったので、東京にいってきました。
まずは、六本木ヒルズの展望室に隣接する森美術館で開催されている
六本木クロッシング2007:未来への脈動」展を見に行きました。


展望室からの景観はすばらしいです。
この日はあいにくの曇りでしたが、それでも目の前に東京タワーが

非常に高層のため、隣のヒルズ族が住んでいる
マンションの遠近パースが、すごいです。

森タワーの入り口写真、セレブな輝きです(^^)



さて六本木クロッシング2007の内容ですが、

現在進行形の今、見たい日本のアーティスト36組を紹介。
4人のキュレーターによる活発な議論を通して、
枠に収まりきらないエネルギーと影響力をもつ、
今見せるべきアーティスト36組を厳選したそうです。


作家それぞれの表現形態は絵画、彫刻、写真、デザイン、
映像、演劇、マンガ、ゲーム、人形、ペンキ絵などさまざまです。
近年めざましい活躍を見せる若手作家と共に、
60年代、70年代の日本のアートシーンを牽引し、
今なお精力的に活動する作家たちも紹介しいるそうです。


全体の感想としては、とても楽しく明るく見れたと思いました。
近代の日本のアーティストを集めた美術展を見るとき、
内面を深くみつめすぎた自己表現や、
ヘタをすると自己満足の表現が目立ち
結果として暗い印象を受ける作品展が多かったのですが
今回の作家たちは、ものづくりをや描いたりすることが
本当に好きで、生活の一部になっているんなだな
とういう印象を受けました。


だれに頼まれるわけでもなく、しかし表現する楽しみに
取り付かれたアーティストたちの爽快感が作品展を明るく
前向きなものにしていたのかもしれません。


個人的なお気に入りは、田中偉一郎のビデオ作品で
公園に集まるハトに映画のキャスティングのように
テロップで名前をつけていく作品が面白かったです。
ユーモアがありつつ、個人と他者、個性と群集、人と動物
などいろいろなことを楽しく感じさせる作品でした。


もう一点は、チェルフィッシュという演劇舞台集団の作品が
とても良かったです。思わずDVDを買ってしまいました。
『三月の5日間』の舞台公演は第49回岸田國士戯曲賞受賞したそうです。


内容は、何のセットもない白壁の前で2人の登場人物が
仕事や恋愛、遊びなどの とりとめもない日常会話を
するだけの構成なのですが、お互いの会話と身振りが
少し日常から逸脱しています。
しかし、こんな若い子、渋谷にいるよな〜と思ってしまう
現代っ子の繊細さ、情報過多に対する身体の過敏な反応だどが
表現されていて、とても興味深くみることができました。


両者のアーティストは、自分の中からでてきた
暗く深い自己表現を直接、作品にしていません。
公園や渋谷の若者などのどこにでもある日常のできごとを
異なる視点で捕らえたり、過剰に表現することで
作品にすることに成功しているのだと思います。


確かな知性と鋭い感性、そして作品を成立させるための
洗練された技術が備わっているからこそ表現可能なのでしょうね。
やっぱりアートって面白いですね!