アート系トーク番組 art air の日記

アート・美術・幼児造形などについて

現代美術への視点 エモーショナル・ドローイング展 & 小山登美夫ギャラリー 京都 オープニング


京都国立近代美術館で開催されている

現代美術への視点 エモーショナル・ドローイング展に

行ってきました。



ローウィングとは、定義が難しいのですが

簡単に言うと完成を目的とした立派な絵画ではなく

らくがきのように、描くことの行為自体を

目的としたお絵かきといいましょうか?

よくタブロー(立派な絵画完成作品)VSドローウィン

という対応で語られることもあります。





さて、今回のドローウィング展はアジア中心の作家が

集められて展示されています。

ほとんどの作品は、精神的でナイーブで弱い心のうちを

描いている作品が多かったです。





展示されている東南アジア・中央アジア西アジア

いわるゆる非西欧圏の地域の人々のドローウィングは

文化的には、かなり迷走しているように感じました。

グローバル経済主義が世界を席巻するなかで

次々に流入してくる西欧文化に翻弄されつつ

自身の頼るべき思想や理念もなく

信じれる神もない世界で、人々は傷ついているようです。

かといって伝統的な自国の文化に回帰するには

あまりにも現実は早く先に進んでしまったように

思われます。







そんな中で特筆すべきは、現在のドローウィング・ブームの

先導者、奈良美智さんの作品です。






奈良さんは、目の釣りあがったカワイイ女の子の絵で

有名な作家ですが、他の作家が同じドローウィングでも

根暗なものが多かったのに対し、奈良さんの絵は

ポジティブで明るいです。



普通、中年の男の人が女の子の絵ばかり描いていると

少し気持ち悪いですが、そんな暗さ、気持ち悪さはありません。

端的に「カワイイ」と思う方が多いと思います。



奈良さんの絵は主題的には、

「こども」「マンガ」っぽい表現など

今までの西欧の文化の中では幼稚に感じられた表現です。

しかし、そんな西欧的な世界観を、まったくものともせず

「自分の描きたいものを描く!」とふっきれたところに

奈良さんの作品の明るさ、人をひきつける魅力があるのでは

ないのでしょうか?



カワイイ・こどもっぽくて、何か問題でも?

私は私の信じる道を行く!

と宣言しているようです。



今までの文化的な価値観では、

卑下されてきたような生き方や考え方

しかし、それらを肯定的にとらえなおすことで

世界は、とってもすばらしいものに

変わって見えてくるのだと奈良作品は

迷える子羊たちにエールを送ってくれてます。





そんな新しい世界の見え方を感じさせてくれる

アーティストが、たくさん登場してくれることを

願ってやみません。








小山登美夫ギャラリー 京都 オープニングに行ってきました





京都市下京区東本願寺の近くに、

小山登美夫ギャラリー 京都がオープンしました。

帰りに、桑原正彦 展 "窓"

オープニング・パーティーに行ってきました。

たくさんの方が来られていました。

中にはアーティストの椿昇さんや

東京の出版関係の方など業界の人も

来られており、活況を呈しておりました。