アート系トーク番組 art air の日記

アート・美術・幼児造形などについて

論文の種類と位置づけ

いきなりですが、論文って読みにくいでよねww
いろいろ専門的な用語がでてきたり、書き方が独特であったりと、なかなか読解に苦労します。

しかし論文って、どういう目的で書かれているのか、論文の種類と位置づけや、研究の内容や方法論などがわかると、論文独特の書き方を速読して、理解できることができるようになると思います。たぶんヽ(´▽`)/

また、ネット上には信憑性の低い文章や情報もたくさんありますから、どのような文章が、信憑性や、新しさがあるのか、確認する上でも、それぞれ種類の異なる論文が学会と学会誌のシステムの中で、どのように位置づけられているのかを理解していると便利です。

ちなみにネットで読むことができる論文も、査読あり、なし、またはここ10年ぐらいのものか、それより前のものかでも、かなり質や内容が異なるように思います。研究の内容や方法は5年ごとに進化しているように見えますので・・・



それでは、以下に、慶應義塾大学湘南藤沢メディアセンター ライティング&リサーチコンサルタントより引用した論文種類と位置づけを紹介します。  http://wrc.sfc.keio.ac.jp/?p=129


論文の種類

原著論文(Original article)

学位論文 (thesis)

総説・調査論文 (review, survey)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

抄録 (abstract)

技術報告 (technical report)

ポスター (poster)

ポジションペーパー (position paper)

レター・論評 (letters)

論文 (Regular articles, Original articles)

短報・速報 (Brief communication, Rapid communication, short communication)

資料 (Technical material)

訂正記事 (Corrigendum, erratum)

簡易論文 (short note)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

原著論文

 主に学術雑誌に掲載され、著者のオリジナリティを有し、著者がその成果のオーナーシップを持ち(plagiarismの恐れが無い、二重投稿でない)、原則的に未発表である事などの学術雑誌の規定に則る形で掲載されるものである。

 取り扱う問題が原則的に1つ(取り扱う問題が複数だと内容が発散し著者としての結論が出しにくいため、限定的に対象を絞っていたり)で、目的と結論が明確であること。結論を導くために調査・実験を行い、提案する手法や方法論が客観的に有効かを評価された上で論じられている必要がある。結論への過程に考察や残された課題についても言及されていたりする。

 また、論文で論じられている方法とその結果については、再現性があることが求められる。再現性とは、その手法を手順通りに再現した場合、同じ結果が得られる事が保証されている、という事である。

 論文の体裁は決められた規約に則り整えられ、厳格な査読システム(peer-review、double-blinded)を経て掲載される。そのため、原著論文が採録・出版されるという事は、該当分野の有識者によってその成果や有効性が認められた、という事である。

キーワード:「論文の構成・体裁」「査読システムが存在する理由」「未発表論文とは」「新規性


*原著論文(Original article)→アートartの文字が入っているのに注目!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学位論文 (thesis)

学士論文 (Bachelor thesis)
修士論文 (Mater thesis)
博士論文 (Doctoral thesis, Dissertation)

原著論文に似ているが、論文の中で取り扱う問題が複数ある場合もある。体裁によっては原著論文を複数繋ぎ合わせたものもあるため、個々の問題が複数有り、それらをまとめており、考察・議論・ある一定の結論づけがなされる。特に博士論文はその傾向が強く、本人にとっての研究活動の総括という意味でレビュー論文に似ている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その他の論文

広義の意味での論文の殆どは上述した2つ以外となる。厳格な査読システムを経らずとも発表する事の出来る冊子に掲載されるもの等、多くの論文形態は原著論文でも学位論文でも無い。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

論文の違い

掲載論文(学術会議、学術雑誌)での投稿区分、掲載媒体での違い

会議録・議事録 (conference proceedings)
論文誌 (journal, transaction)
専門書 (Book)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

論文の区分による違い

総説・調査論文 (review, survey)

総説・調査論文とは、特定の分野やテーマに関する著名な先行研究(原著論文など)を集め、体系立ててまとめることで、特定の問題へのアプローチや認識を整理し、それらの問題解決のための各種手法の有効性評価を行う事が目的。上で述べたように、その分野を俯瞰して捉える事が出来るため、その分野の研究を始める上での道標となる。何が解決されており、何がされていないかが明確になるため、次に解決すべき問題が浮き彫りになる事が期待される。あるいは、問題に対しての手法などが一定の成熟度を持っているかが確認出来る。この調査論文自体に新しい事実や成果の発表は無く、分野全体の概要を知る事が出来る、という位置づけ。


抄録 (abstract)
技術報告 (technical report)
ポスター (poster)
ポジションペーパー (position paper)
レター・論評 (letters)
論文 (Regular articles, Original articles)
短報・速報 (Brief communication, Rapid communication, short communication)
資料 (Technical material)
訂正記事 (Corrigendum, erratum)
簡易論文 (short note)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

長さによる区分

ショートペーパー (short paper)
おおよそ2〜6ページのもの

フルペーパー・ロングペーパー (full paper, long paper)
おおよそ6〜12ページあるいは制限がないもの

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


査読の有無による区分

査読付き
査読なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここからはブログの中の人、ツージーによる研究の内容と方法についてのまとめです。
この辺の情報も、かなり混乱錯綜している感じなので、5年に一度くらい定期的に、各研究分野の学会誌に、研究内容と方法に関する、まとめ、総説、レビューがあると大助かりなのですが、保育学や教科教育学は、なかなか科学的に書く、再現性を保証するなど、難しい課題があり、発展途上のような気がしますww


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

研究における【内容】は、大別すると以下のようになると思われます。

また研究における【方法】では、学問領域によってさまざまですが、保育学や教科教育学においては、以下の方法がよく援用されます。


【研究の内容】

理論研究・・・仮説構築型 と 仮説検証型  
(理論構築やモデル化をめざす)

実証研究・・・実態解明型 と 実態検証型
(ある事柄から知識の獲得をめざす)

―――――――――――――――――――――――――――――――――

【研究の方法の一例】

質的研究・・・文章や文字などの質的データの分析から、ある出来事を解明しようとするもの。

量的研究・・・数値や数式を用いて計量的に現象をとらえ、説明しようとするもの。

歴史研究(文献研究)・・・過去の出来事に対し、時期で区分しながら歴史的事実に迫ろうとするもの。




以上 随時内容を更新